当院での予防接種について(予約制)
当院では、お子様の各種予防接種を行っております。
2ヶ月の誕生日が来たら予防接種を始めましょう。また、初めてのお子様の場合には、時間をかけてご説明し、親御様とご相談しながら接種スケジュールを立てますので、お気軽にご相談下さい。
予防接種は全ての診療時間内で実施可能です。
ただし予防接種・乳幼児健診(14:00-15:00)枠以外でご希望の方は、お電話にて予約をお取りください。
予防接種の際、来院45分前までに授乳等は済ませてください。診察直前の授乳・水分摂取はお控えください。
当院で可能な予防接種
BCGワクチン
予防する病気:結核
結核は結核菌によって起こる伝染病です。
乳幼児が結核に感染すると、粟粒結核や、結核性髄膜炎などになるリスクがあり、後遺症を残すこともあるので注意が必要です。尚、乳幼児期早期にBCGを接種することで約80%が予防できます。
4種混合ワクチン
予防する病気:ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ
ジフテリアは、ジフテリア菌に感染している人の咳・くしゃみなどによって、病原菌が飛び散り、これを吸い込んで感染を起こすことによって発症します。感染すると高熱、喉の痛み、犬がほえるような咳、激しい嘔吐などが起こります。咽頭部の腫脹のために窒息死することもあります。
また、発症後2~3週間して菌の出す毒素により、心筋炎や神経麻痺を起こすことがあります。
百日咳は、百日咳菌の飛沫感染で発症します。風邪のような症状ではじまり、咳がひどくなり、連続的に咳こむようになります。咳のあと急に息を吸い込むので、笛を吹くような音がでるのが特徴です。ジフテリアと異なり高熱は出ません。
乳幼児の場合は、咳で呼吸困難になることが多く、チアノーゼ(血中酸素が不足して皮膚が青黒くなる症状)や、けいれんが起きることがあります。また、肺炎や脳炎などの重い症状を併発ことがあります。
破傷風は、土の中に潜んでいる破傷風菌が傷口から感染して発症します。菌の出す毒素のため、けいれんや口が開かないなどの症状が起こり、その後の処置が遅れると生命に関わります。
破傷風菌は、気づかない程度の軽い傷から感染することもありえますので、予防接種で免疫をつけておくことをお勧めします。
ポリオ(小児麻痺・急性灰白髄炎)の病原体であるポリオウイルスは、口から体の中に入ります。ポリオウイルスが飲食物や手などに付着して口の中に入るようなことが考えられます。ほとんどは修正免疫ができ症状が出ません。しかし、発症した場合はウイルスが血液を介して脳・脊髄へ感染し、200~1000人に1人の割合で麻痺をひき起こし、ポリオウイルスに感染したうち、1%未満が、弛緩性の麻痺(麻痺型)となります。また、風邪に似た症状を呈し、発熱、頭痛、嘔吐が現れ、ひどい場合は呼吸困難により死亡するケースもあります。尚、ポリオという病気は、日本ではもうほとんど感染例がなくなっています。
ヒブワクチン
予防する病気:ヘモフィルスインフルエンザb型菌
ヒブとは、ヘモフィルスインフルエンザb型菌の略で、5歳未満、特に0~1歳のお子様に髄膜炎、喉頭蓋炎、菌血症などの重症感染症を引き起こします。毎年冬季に流行するインフルエンザウイルスとは全く異なる病原菌です。
日本ではヒブに感染したお子様のうち、毎年約600人が重症感染症で発症して、その20~30人が死亡し、後遺症を残す子どもが100人以上いますが、ヒブ髄膜炎は大変診断が難しく、また抗生物質に耐性のヒブが増えて、治療も難しくなってきています。
しかし、ヒブワクチンが普及した国では重症感染症は消滅したと言ってもよい程の効果が見られています。
ロタウイルスワクチン
予防する病気:ロタウィルス感染症
乳幼児の冬の急性下痢症の最も主要な原因が、ロタウイルスによる感染症です。 秋から年末にかけてはノロウイルスが、1月から4月にかけてはロタウイルスが主に流行します。生後6ヶ月から2歳の乳幼児に多くみられ、5歳までにほとんどのお子様が経験します。米のとぎ汁のような白色の下痢便が特徴で、そのため白痢あるいは仮性小児コレラとも言われていました。
主な症状は嘔吐と下痢ですが、ノロウイルスよりも発熱を伴う場合が多く、重症度が高いとされています。通常1歳を中心に流行がみられますが、保育所、幼稚園、小学校などの小児や、病院、老人ホーム、福祉施設などの成人でも集団発生がみられることがあります。
MRワクチン(麻疹・風疹ワクチン)
予防する病気:麻疹(はしか)・風疹(3日はしか)
麻疹は、空気感染により発症します。伝染力が極めて強いウイルスで、予防接種をしていないと多くに方がかかる病気です。また、感染すると発熱、せき、鼻汁、目やに、発疹を引き起こします。最初の3~4日で38度前後の熱が出て一時的に解熱した後、再び39~40度の高熱と発疹が3~4日続きます。主な合併症は、気管支炎、肺炎、中耳炎、脳炎、亜急性硬化性脳炎という遅発性の脳炎などがあげられます。
尚、麻疹患者様の1万人に1人が亡くなるとも言われておりますが、予防接種をすれば、合併症はほとんど発症しませんので、ぜひ予防接種を受けましょう。
風疹は、感染している人の咳・くしゃみなどによって、病原菌が飛び散り、これを吸い込んで感染を起こすことにより発症します。感染してから症状が出るまでの潜伏期間は2~3週間。軽い風邪の症状から始まり、発熱、発疹、首のリンパ腺が腫れるといった症状が出ます。
ただし、年長児や成人の場合は重症になることが多く、2~3日では治りにくくなります。また、妊婦さんが妊娠初期に感染すると、先天性風疹症候群と言う多発奇形の赤ちゃんが生まれることもあるので、免疫をつけておく必要があります。
水痘ワクチン
予防する病気:水痘
水痘は、ウイルスを含有する飛沫もしくは飛沫核による空気感染、上気道、下気道がウイルスの排出、侵入、または接触と言われています。痂皮になってない皮膚症状からの接触感染もありえ、あるいは帯状疱疹の人からの接触感染や飛沫感染により発症します。初感染では、発熱とともに全身に水泡性の発疹が出ます。
水痘のウイルスは回復後も長く体内に持続感染する性質があり、何かのきっかけで再活動すると、帯状疱疹となって現れます。
通常、お子様がかかった際の合併症もまれで、経過も軽くすみます。ただし白血病や悪性腫瘍、大量のステロイドホルモンを服用しているお子様などは免疫機能が低下しているため、症状が重くなります。
1回の接種では50%の予防効果といわれており、日本小児科学会では2回接種を推奨しています。
おたふく風邪ワクチン
おたふく風邪の症状は、耳下腺と顎下腺腫脹(耳の下あたりから顎にかけての腫れ)です。大方は両側とも腫れますが、片方だけのこともあります。片方が腫れ、2~3日後にもう片方が腫れてくるのが全体の3/4で、残りの1/4は片方のみ腫れます。耳下腺が腫れるのと同時に5割の人に発熱がみられます。合併症として髄膜炎を起こすことがあり、まれに難聴をおこすことがあります。
また、成人男子がかかると睾丸炎を起こすことがあり、成人は症状が重くなりますので、おたふく風邪にかかっていない方は予防接種することをお勧めします。尚、睾丸炎になると不妊症になると言われますが、通常は片方の睾丸のみの炎症なので、妊娠能力の障害は10数%ぐらいです、実際完全な不妊症になる例はあまりありません。
小児肺炎球菌ワクチン
予防する病気:肺炎球菌感染症
肺炎球菌感染症(髄膜炎、敗血症、肺炎、中耳炎など)は、肺炎球菌が主要原因であることがほとんどで、菌血症では80%、肺炎の場合は30%、細菌性髄膜炎では20~30%、細菌性の中耳炎の場合は30%が肺炎球菌が原因となっています。 特に深刻な病気は細菌性髄膜炎で、日本では年間1000人ぐらいのお子様が発病していると推定されており、肺炎球菌の髄膜炎は、お子様の髄膜炎全体の約30%を占め(ヒブ髄膜炎は60%。この2つの細菌で全体の90%となります。)、症状や後遺症はヒブよりやや重く、死亡が10%前後、後遺症が40%に残ります。ヒブと同様、初期の診断は困難で、けいれんや意識障害を起こし、抗生剤の効きにくい耐性菌が多く、治療は困難を極めます。また、肺炎球菌が起こす、菌血症/敗血症や肺炎、中耳炎も抗菌剤が効きにくいため、重症化しやすいと言われています。
小さなお子様は肺炎球菌に対して抵抗力を持っていませんが、肺炎球菌ワクチンを接種すると抵抗力ができるようになるので、一番これらの病気にかかりやすい年齢に肺炎球菌からお子様を守ってあげることができるようになります。
インフルエンザワクチン
予防する病気:インフルエンザ
インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こります。
インフルエンザにかかった人が咳やくしゃみなどをすることにより、ウイルスが空気中に広がり、それを吸い込むことによって感染します。典型的な症状は、突然の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などで、喉の痛み、咳、鼻水などもみられ、普通の風邪に比べて全身症状が強いのが特徴です。
日本脳炎ワクチン
予防する病気:日本脳炎
日本脳炎は、日本を含めアジア諸国で流行する病気です。主に水田で発生するコガタアカイエカが媒体し、夏に出現します。ポリオなどと同様、有効な治療法がないので、予防接種で予防する事が大切になります。
感染すると大部分が死亡したり、重度の後遺症を残します。尚、潜在期間は約5~15日で、症状は頭痛、発熱、嘔吐、意識障害、痙攣、麻痺等です。