アレルギー科の受診について
アレルギー科では、アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、花粉症、食物アレルギーなどを拝見します。
お子様は、気管支や腸管の粘膜などが未熟なため、アレルギー反応を起こしやすい傾向にありますが、成長とともに症状が改善・軽減していくことも多いのが小児アレルギーの特徴です。 また年齢によってもでやすいアレルギーは異なり、0歳、1歳台ではアトピー性皮膚炎、食物アレルギーの患者さんが多く、3歳を過ぎてくると、気管支ぜんそくを発症してくるお子様が多くなってきます。またその後は花粉症や、アレルギー性鼻炎を発症しやすくなります。この一連の反応はアレルギーマーチと呼ばれています。
この他にじんましんなどの連鎖反応を起こすこともありますが、定期的に適切な治療を受けることで、アレルギー反応をある程度抑えたり、防ぐことができます。
湿疹ができたり、お子様の様子がおかしいなど、気になることがあれば、ぜひ一度ご来院下さい。
また、当院での対応が難しいと判断される場合も、十分な診療が可能な医療機関へのご紹介及び連携をとって対応致しますので、お子様のアレルギーでお悩みの際は、どうぞお気軽にご相談下さい。
アレルギー相談(アトピー性皮膚炎や食物アレルギーの相談)の初診の方は
9:30-11:30、15:30-17:30の間で診察いたします。まずお電話で予約をお願いいたします。
比較的火曜日、金曜日が空いております。
主な対象疾患について
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹を特徴とする皮膚の病気です。乳児アトピー性皮膚炎は生後0ヶ月や1ヶ月頃から顔に湿疹がではじめ、 次第に頭やからだにも湿疹がでてくるのが特徴です。乳児湿疹と思っていたのによくならないという方はアトピー性皮膚炎かもしれません。また乳児期はとてもきれいだったのに、あるとき突然湿疹がでてくる場合もあります。
アトピー性皮膚炎の原因は全てが明らかになったわけではありませんが、遺伝的に皮膚の乾燥とバリアー機能の低下(外からの刺激で簡単に湿疹を生じる皮膚の質)や、アレルギーを起こしやすいアトピー素因があり、汗やホコリの刺激、食物やダニのアレルギー、精神的・ 肉体的ストレスが悪化因子となって生じるとされています。
アトピー性皮膚炎の治療は、下記の3つを中心に行います。
- 1. 炎症を抑える治療
- 2. スキンケア
- 3. 悪化因子の除去
炎症を抑える治療としては、ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬を中心とした治療を行い、かゆみが強い場合は飲み薬を併用します。
そして、炎症が治まった後は、保湿薬を使ってスキンケアを続け、皮膚のよい状態を維持します。
また、悪化因子は問診や検査などから慎重に判断し、できるだけ取り除きます。
気管支ぜんそく
気管支ぜんそくは様々なアレルゲン(ダニ、カビ、動物の毛やフケ、花粉、食物などアレルギーの原因になるもの)により、気道(空気の通り道)にアレルギー性の炎症が起こることで、慢性的に気道が狭くなっている病気です。
気道が過敏になっているため、風邪をひいたり、タバコの煙をすったりするなど、様々な誘因で発作を起こします。
そして、発作が起こると、気道の周りにある筋肉が急激に縮んだり、粘液がたくさん出るために、息を吐くときに喉がゼーゼー、ヒューヒューしたり、呼吸が苦しくなります。
発作が起きた時に適切な治療を行うことはもちろんですが、症状がない時にも、気道の炎症は続いているため、毎日適切な治療薬を用いて気道の炎症をコントロールしていくことが大切です。
当院では、学校や幼稚園、保育園を休まずに、運動や日常生活を楽しく安心して過ごせるように、親御様・お子様と力を合わせ、気管支ぜんそくをコントロールするよう心掛けています。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は、小児ぜんそくやアトピー性皮膚炎に合併することの多い病気で、鼻水や鼻づまり、くしゃみ、せきが主症状です。また、目がかゆくなるアレルギー性結膜炎を伴うこともあります。
ハウスダスト、ダニ、ペットの毛などが原因の通年性アレルギー性鼻炎と、花粉(スギ花粉、ヒノキ花粉、ブタクサ花粉など)が原因の季節性アレルギー性鼻炎の二つのタイプがあり、当院では、生活指導や点鼻薬(ステロイド点鼻薬)、内服薬(抗アレルギー薬)、鼻洗い指導による治療を行っています。スギ花粉症の治療として、最近注目されている舌下免疫療法も当院で行います。ご興味のある方は一度受診していただき、ご説明させていただきます。
食物アレルギー
食物アレルギーとは原因食物を摂取した後に、皮膚、粘膜、消化器、呼吸器、アナフィラキシーなどが起きるアレルギーです。食物アレルギーといっても様々なタイプがあり、乳児期にアトピー性皮膚炎と合併してみつかる食物アレルギーもあれば(食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎型といいます)、はじめて食べたら症状がでてしまう食物アレルギーもあります(即時型症状とよばれています)。
口腔アレルギー症候群と呼ばれている食物アレルギーも最近は増えてきており、果物や野菜のアレルギーに多く、原因食物を摂取して間もなく、口の中の症状を主体として発症します。他にも運動しなければ症状が出ないような特殊なタイプの食物アレルギーもあり、まずは疑ったら、しっかり診断をつけることが大切です。
食物アレルギーの対応で重要なことは、正しい診断に基づく必要最小限の原因食物の除去、早期の除去解除にむけて食物経口負荷試験による確認、アナフィラキシーを起こした時の対応です。
また、アナフィラキシーを起こす可能性がある場合には、園・学校や預かり施設と連携しながら、アナフィラキシー対策を取り扱う必要があります。
当院でも負荷試験を行いますが、入院で行う必要がありそうなハイリスクの方は適切な医療機関へご紹介させて頂き、連携をとって対応して参ります。
食物アレルギーに対する経口免疫療法について
経口免疫療法とは原因食物を摂取させ、食物アレルギーを治す方向へ誘導する治療法です。その治療による利点は単に食べられるようにするだけでなく、アナフィラキシーショックという危険な状態に陥る可能性を低くできる点が大きいと考えられています。ただし本治療は研究段階の治療法であり、管理を一般診療として推奨しない。とされております。危険を伴いますので、自宅で勝手に進めるようなことは絶対にしないでください。
当院では本治療の経験があるアレルギー専門医が対応しますのでご興味のある方は一度ご相談ください。適応があるかないかを判断させていただきます。